2009年1月17日土曜日

メルヴィル『白鯨』……ブッシュはエイハブだったのか?

『白鯨』ついに読了。今度の岩波文庫(八木敏雄訳)は第11回目の日本語訳とのこと。まさに血湧き肉躍るお話しで、面白かった。最後の方になって、この白鯨を偏執狂的に追い回すエイハブとはブッシュ、不死身の白鯨とはアルカイダ、エイハブに巻き込まれて沈没するピークオッド号とはアメリカ合衆国のことじゃないかと真面目に感じていたら、最後の解説で「この本はそういう読み方も出来る、普遍的である所以」みたいなことが書いてあった(おいらは誓って言うが解説を先に読んだのでは断じてないぞよ)。ハムレットみたいなところもあり、百科全書的なところもあり、抹香臭いところもあるし、もちろん冒険小説として面白いし、まさに「ごった煮」。年寄りには堪えられない味。





でもブッシュJRはエイハブにするにはあまりにナイーブかも知れない。幼いな信心深いエイハブってところか。パウウェルはさしずめスターバック。チェイニーがフェダラーか。

下手な経済学の本を読むより、アングロサクソン資本主義の精神がたいへんよくわかる。説明すると長いけど、読んだらわかる。

1 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

八木敏雄の解説を読むと『白鯨』のエピローグで語り手(イシュメール)が生還したことにより、物語は再び冒頭に戻り、後は「無限循環」だとか恐ろしいことが書いてあった。こうして人は『白鯨』の虜となってしまうのであろうか。くわばらくわばら。でも、そういわれるとそう。もう一度読んでみるか。