抜粋:
- 08年の金融危機とは、ひと言で言えば、1970年代からのペーパーマネー体制の崩壊。ペーパーマネー体制のもとに米国は工業社会から知価社会への転換をはじめた。ドルの垂れ流しに見合ったドルの需要(つまり借り手)があったのでドルの価値は保たれた。80年代にはジャンク債、90年代には、ロシアや中南米、東南アジア。それがダメになるとIT産業。それもダメになるとサブプライムローン。でも今後サブプライムに代わるほどの大型の借り手はもう現れないだろう。つまりペーパーマネー体制は崩壊したのである。
- 今の危機のパターンは10年前に日本が経験したもの。おいらが経企庁長官として対策の総指揮を執った。いま世界各国がそのやり方を真似している。
- 米国人の考え方(「先に費って、あとで返す」という思想)は逆戻りしない。今後自動車産業などの規格大量生産型の製造業は決定的に整理されて「全(まった)き知価社会」が出現する。三年はかかる。景気腰折れの二番底に陥る危険が大きい。
- 中国の不況は工業化の過程で起こる初期的調整。一年で急回復する。
- 日本。円高と高齢化は企業にとって有利。日本の市場はまだまだ閉鎖的で輸入品の値下がりが消費者価格になかなか反映されないので、相当の部分が企業の懐に残る。
- 高齢化だが、09年には団塊の世代の退職が完了する(年功序列賃金体系から卒業する)ことで、団塊世代の労働力が年功にとらわれない低賃金で大量に供給されることとなる。タクシー業界が良い例。退職した高齢者が低賃金でタクシー運転手として働いている。多くの分野で同様のことが生じる。企業には利益、消費者には物価安とサービスが提供される。
いつまでも可哀想なのは団塊の世代だ。その「名付け親」からもこういった冷たい目で見られている。まあ、最初から最後まで「働き蜂」を続けるしかないか。ニッポンには扶養家族が多いもんね。
2 件のコメント:
堺屋太一氏のご託宣は、彼が30歳代にしてものを著わして以来、その博識、識見にはなん目も置き、いつも傾聴に値するものと思って聞いたり読んだりしています。
ただ近年気になるのは、年をとったせいか常に(必ず)自分が企画庁長官だったときの自慢話が入ることです。ところが私は、それ(彼がやったという政策とその成果)を評価する論説などを新聞、雑誌で見たことがないのです(彼は小渕内閣が史上最大の赤字国債を発行したことさえ自画自賛し、悪いことはすべて後続の政権のせいにしています)。意地悪な言い方をすれば、回りがだれも評価しないので、一生懸命自己宣伝しているように聞こえます。ここは、池田信夫先生のご託宣(評価)を聞きたいところですが、、、、。
自慢話は年寄りの証拠ですね。以前は四谷三丁目あたりでママチャリに乗ったお姿をよく拝見したのですが最近は見ない。自転車も乗れなくなったかな。
堺屋太一はサブプライムに代わるドルの借り手はもう現れないだろうといってますが、僕は中国が何らかの形でその役目を引きうけると思う。米国債を大量に買い続けてもいいし、中国農業近代化のために大がかりに米国資本・技術を導入してもいい。中国としても米国に恩を売れるし、米国への影響力も発揮できる。「アメ・チャイナ」の誕生です。
団塊の世代は、いいように利用されるのはいい加減にもうやめにして「清貧・質実剛健」ライフスタイルに切り替えたほうがいいと思う。でないと死ぬまで「貢君」を続けることになる。
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