[2008.11.20] ここにもあらわれてきた米国の日本軽視ー日本の伝統文化に興味を示さなくなった米国 | Blog(ブログ) | [公式] 天木直人のブログ: "米国での日本に関する焦点がポップカルチャーになったという事は、米国人が日本の社会、経済、政治といったまじめな事項について話さなくなった事を意味する。"この意見はまともである。事態はかなり深刻だ。
引用されているところを引用しておくと:
11月20日の読売新聞「論点」に米国の学者が興味深い事を書いていた。
その筆者はマイケル・オースリン(41歳)という元エール大学准教授で、現在はアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所というシンクタンクの研究員である。
彼は言う。
過去200年にわたり米国人は、版画や生け花に魅了され、仏教や儒教の教えに関心を深めた。黒沢明の映画はジョージ・ルーカスに影響を与え、日本庭園の美は全米に広がった。日本文化への関心は、日米関係において重要な役割を演じてきた。つまり、米国は日本を重大な国と受け止めてきた。
(ところが)今日の日米関係は、劇的に変わった。米国人は日本文化を真剣に見つめるのをやめてしまった。米国の若者は黒沢映画のかわりにアニメを見るようになり、大学のなかには源氏物語や安倍公のかわりに漫画を読ませるところもでてきた・・・
米国での日本に関する焦点がポップカルチャーになったという事は、米国人が日本の社会、経済、政治といったまじめな事項について話さなくなった事を意味する。
更に憂慮すべきは、米国で日本の言語、歴史、社会を理解する専門家の数がどんどん減っている事だ。大学でアニメの講座をとった学生たちが、日本を真剣な研究対象とみなす可能性は低い。(そのような米国人が)日本が日米同盟において偉大な役割を果たしている世界的大国と考える事はあるまい。
米国の政策や米世論に影響を及ぼすことのできる日本専門家が米国にいなくなれば、将来、重大な問題が起きた時、米国が日本を緊密なパートナーとして頼りにする可能性は少なくなるだろう。
これは日米関係にとって悲劇だ・・・
天木氏はマンガ外交を進めた麻生太郎(当時外相)とその手先になって動いた外務省が悪いと追究されるが、それはさておき、ずっと「サムライの国」とか「軍国主義の国」とか「猛烈ビジネスマンの国」として畏れられていた日本が、いまや内向きの「ポップカルチャーの国」ということになっている。平和で人畜無害でよかったねと言うことだが、軽く見られるようになったと云うことは否定しがたい事実。
思うに、一種の「反体制運動」もしくは「権威に対する斜めの姿勢」として始まった日本の漫画カルチャーは、今や内閣総理大臣までもを巻き込む勢いでエスタブリッシュメント化してしまった。マンガが「体制化」してしまった時点で(大衆化したゴルフと同じで)本来の意味で(大人への反抗という意味で)マンガを読む意味がなくなっていたのである。
大学生や成人のビジネスマンが電車のなかで堂々とマンガを読むような社会は、みっともいいものではない。まともな人からはあまり相手にされない。「マンガは新しい芸術だ、おいらはえらいんだぞ〜」と牽強付会するのは、所詮マンガだ。
8 件のコメント:
マンガ・アニメ・ゲームはお上の保護をいっさい受けずにここまで大きくなって、世界にも知られるようになったわけで、そういう意味では日本で一番立派な産業だと思いますけどね。
あまりぼったくりませんし(笑)
そうですね、パチンコ業界もお上の保護を一切受けず(むしろお上からいじめられながら)10兆円産業にまで発展。最近こそ貸金業規制でしんどそうだけれど、これもニッポンが世界に誇れる戦略産業ですかね。
マンガがエスタブリッシュメント化したというより、麻生さんの煽りにオタクどもが簡単にのった。普段よほどコンプレックスがあるらしくて、セレブに俺もマンガ好きと言われるとうれしい。バカなんですよ、ようするに。
ただ、日本のアニメマンガ、バラエティー番組の影響力はすごいです。あれで日本のイメージが相当よくなった。というか、日本人も人間だと思われるようになった。畏れられることも大事だけど、バカな部分も見せることは必要だと思います。
本当のオタクには支持されてないけどね。
「自称『秋葉原オタク』の皆さん」(2006)
最初にケンカ売る台詞言われて喜んでどうする。
「IT、いわゆるフロッピー」(2003)
総務相時代に見限られてたよ。
文化はたたかれて強くなるのです。
批判や停滞で、無くなってしまったら
それまでです。
どんどん虐めて、蔑んであげて下さい。
漫画の趣味の悪い絵柄や、下品な話の
展開など、叩き所満載ですよ。
マンガの特徴は「感性」に訴えて直感的に読者を理解させるという点。「感性」も結構だがそればっかりの学生や社会人ははたして「論理的に考える」と能力を磨くことが出来るのだろうかと心配。「ゲーシュツカ」ばっかりじゃ国は保たないよ。
言葉の表現力と理解力が未発達だった中世では本は挿絵ばっかりだったけど、現代の本は文字だけ。これは退歩か進歩か。
マンガも論理的という考えが「空気を読め」ということになり「KY」イジメを生む。
>パチンコ業界もお上の保護を一切受けず(むしろお上からいじめられながら)10兆円産業にまで発展。最近こそ貸金業規制でしんどそうだけれど、これもニッポンが世界に誇れる戦略産業ですかね。
日本以外に広がってない、韓国など諸外国では法で禁止されたパチンコのどこが世界に誇れるのかさっぱりわかりませんが。
その通り、さまにマンガと同じ。
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