2008年10月3日金曜日

「年金などを貰っている高齢者は選挙権を返還するべきだ」(貞子ちゃん)

昨今のネットではポリティカリーコレクト(PC)なクリシェ(紋切り型)が氾濫していて、すっかりネットサーフィンはご無沙汰していたが、これは面白い:
書評:この国の経済常識はウソばかり:貞子ちゃんの連れ連れ日記 - AOLダイアリー"立木氏は、マスメディアが垂れ流す「高齢者=弱者」という虚構の構図が、どれだけ嘘っぱちであるかを、経済の知識を駆使しながら、とても分かりやすい話し言葉で、解き明かしている。アメリカも欧州も日本も先進国の経済がデフレスパイラルへ落ちてゆこうとしている今、政治の季節がやってきている。こういった時期こそ、日本人なら、必読の書が「この国の経済常識はウソばかり」だ。急速に高齢化が進むこの高齢大国:日本社会では、もはや高齢者は弱者では一切ない。彼らこそが、社会的強者である。(中略)貞子の提案:介護保険や後期高齢医療保険や公的年金すべてを含めて、現役世代の収めた保険料や税金に、「なんらかの形で」「いくばくかでも」お世話にならいといけない人々は、せめて選挙権くらいは国へ返還してください。"
かなり本当のことを言っていると思う。

抜粋:
  1. 急速に高齢化が進むこの高齢大国:日本社会では、もはや高齢者は弱者では一切ない。彼らこそが、社会的強者である。

  2. 日本の個人金融資産は、純資産(金融資産から負債を引いた部分)では、そのほとんど8割以上がリタイアした高齢者によって保有されている。今の日本では、高齢者こそが社会的強者なのである。

  3. さらにさらに、日本国内の福祉予算のおおよそ8割は高齢者向けに使われている。社会的強者のための福祉政策を延々と絶望的に継続しているのが、今の日本の政治の現状であり惨状である。

  4. 有権者の中で、半数以上が50歳以上を占める以上、この日本という国で、改革(=市場メカニズムの導入、言い換えたら「公平」へ向けての改革)が進むわけがない。

  5. なぜなら、たいていの50歳以上の人々が一番恐れるのが、公平な市場メカニズムなのだから・・・。

  6. 労働市場から公平に評価されたら、ひとたまりもない人間が急速に増えてゆくのが、50歳あたり(アラフィー)からである。

  7. 再び日本経済が深刻なデフレスパイラルに陥ってゆく今後は、数と資金力にものを言わせて、「危険なお年頃」と「凶暴なお年頃」のシニア世代が、束になって、塊になって、政治の世界でパイの奪い合いを始めるのではないだろうか・・・。

  8. 「にわか高齢者武士」の間で「武士はくわねど高楊枝」などとほざくのが流行っているらしいのです。そして彼らは、お金を使わないで、しこたま貯め込んでいるのです。

  9. 彼ら60歳以上のシニア世代は20年前のバブル崩壊で思いっきり懲りてしまったのだ。そして、彼らは、その後は一斉に、「絶望的なデフレ愛好者」「異常なまでのデフレ・マニア」へと急速に変身していってしまったのである。

  10. デフレ経済は、先に生まれたものほど有利である。なぜなら、シニア世代なら、ただただ何もしないで、お金だけ貯め込んで、会社へ行けば、若者のリストラだけを進めていれば、若者の新規雇用さえ控えていれば、シニア世代だけは、なんとか食いつないで行けるのが「デフレ経済の正体」なのだから・・・。

  11. 貞子の提案:介護保険や後期高齢医療保険や公的年金すべてを含めて、現役世代の収めた保険料や税金に、「なんらかの形で」「いくばくかでも」お世話にならいといけない人々は、せめて選挙権くらいは国へ返還してください。

散人も高齢者だから、少しは反論したいのだが、耄碌してしまっているのでうまいぐあいに議論が出来ない。でもこういった「損得勘定」に基づく議論はもっとなされてしかるべきだと思う。多くの国民は「損得の議論」ははしたないとか、弱者には優しくしなければとか、地球に優しくとか、教育を通じて体制側にうまいこと洗脳されてしまっており、既得権集団だけが得をして普通の国民はボラれて損をする政策にも両手をあげて賛成しているのが現代ニッポンの現状。これは健全なものではない。

高齢者世代と現役世代の利害相反のみならず、既得権集団対一般国民、大都市対地方、消費者対農村……こういった利害対立軸でもっと突っ込んだ議論が進むことに期待したい。

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