2008年9月18日木曜日

NHK衛星放送「アジアクロスロード、香港フェニックス時事討論会」……日本人は中国が嫌い?

香港フェニックスの時事討論番組は面白いので出来るだけ見るようにしている。けっこう質が高いのだ。今晩は「日本人は中国が嫌いになったのか?」というテーマ。とても考えさせられた。討論で取りあげられた数字のいくつかご紹介:

数字:
  1. 7月中旬に実施された日中共同世論調査では、日本人の78%が中国を信頼できないと回答。
  2. 3〜4月に世界24カ国で実施された世界世論調査では、在外中国人の8割は「外国人は中国に対して良いイメージを持っている」と回答(つまり、日本だけが特殊なのだ)。
  3. 最近の中国人に対するアンケート。77%の中国人は「日本人は中国を嫌っている」と回答。
  4. 日本における対中好感度世論調査の時系列推移。2004年以降(小泉以来)日中関係は「良好」とする回答がドラスティックに低下。ほぼ半減。

討論会では在日歴数十年の中国人大学教授が「日本人は中国を嫌いだした、これは由々しき事態である」と主張したのに対し、他の識者は「そもそも世論調査などは当てにならない、大げさに騒ぎ立てる方が間違っている」と主張して、おおむねでいえば、中国では危機感の欠如か。

散人は逆に大きな危機感を持っている(ケンカしたら日本が損する相手だから)。同時にこの日本人の中国嫌いは多分にマスコミとか政府によって煽られた面があると見ている。散人の仮説:
  1. 日本人の中国嫌いの風潮は、確実に存在する。特に若い世代に顕著。
  2. これはこの数年特に目立つようになった。経済で負けてしまったという敗北感から来る部分もあるが、多分に政府・マスコミから誘導されているという性格が強い。
  3. 例えば小泉政権。若者の嫌中感を巧みに扇動し、支持率を上げた。数字で示されている。
  4. 最も大きい役割を演じているのは、中国からの農産物輸入急増に危機感を持つ農村関係者。これが日本のマスコミを札ビラで買収し(なにせスポンサーとして強大な影響力を持っているから)、中国食品は危険だ、中国人はカネの亡者で陰険だという洗脳的宣伝を続けた。環境団体は所詮彼らの分身なので中国のおかげでニッポンの環境が危機にさらされていると喚き続けた。
  5. ナイーブなニッポンの若者はコロッと騙された。

政治力を持つ既得権集団は大衆宣伝に長けている。批判的にテレビを見ないと、いいように操られてしまう。老婆心ながら申しあげる。


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