2009年1月29日木曜日

内山節は西原理恵子に学ぶべきだな……日経夕刊の大甘インタビューを読んで

今日の日経夕刊では、エライ哲学者の内山節先生が「働くと言うこと」と題して蘊蓄を傾けておられる。「他者と結び合うことこそ労働である」とのご託宣。「正直」とても甘いと思う。

内山節は言う:
  1. なぜ人は働くのか。いま働くことの意味が根源的に問われている。
  2. 働くことの意味は根源的に他者と結び会うことにある。昔から人間は農業などを通じ、自然や地域と結び合い、そのなかで自分の役割をこなし、充実感を抱いてきた。
  3. その価値観は近代資本主義社会で破壊されたが、最近それが見直され、イナカの中学生はみんな大工やパティシエになりたがっている。サラリーマンにはなりたくないという。その通りで、健全な傾向だ。
  4. いま自分はイナカの田畑を持って自給自足生活。「哲学を領域とする作家」で食っている。とても幸せ。大企業に就職する若者の人生は悲劇だ。

「趣味の園芸」を楽しめて、その上「生活費」まで稼げれば、けっこうですね〜。おいらも真似したい。でもみんながそれを真似すると、日本経済は成り立たなくなってしまう。「趣味の園芸生活」とか「悠々自適の生活」とかは誰かがその費用を負担することが前提となっているからだ。内山節の言う優雅な自然的生活とは、しょせん他人のお金を当てにする生活であり、甘いのである。人間はアダムとイブの時代から、神様から苦しい辛い「労働」を課されている罪深い存在なのだ。労働とは太古の昔からそんな甘いものではないのである。趣味の仕事で「労働」が成り立っているとすれば、それは既得権益集団のごり押しのおかげ。ニッポンにはこれが多すぎるのが問題。

バブル時代には内山節のような甘い考えも通用しただろうが、生きるか死ぬかの今の時代ではそんなことはない。内山節は西原理恵子の爪の垢でも煎じて飲んだらどうだ! これ:

Letter from Yochomachi (Google): 『この世でいちばん大事な「カネ」の話 』(西原理恵子)……これ良書!: "、彼女の人生哲学をホントに正直に書いている。今の世の「自分探し」とやらに惚けている甘ったれた若者は、ぜひこの本を読んでほしい"

西原理恵子は、マスコミがもてはやす流行「哲学者」以上の「哲学者」なのである。個人的には圧倒的に彼女の方を採る。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

西原と内山節、これを重ねたところに面白いものが見えてくるとぼくは思います。

tu-ta さんのコメント...

サイバラさんの本、ぼくもすごく面白く読みました。でも、内山の本も面白いです。サイバラさんはただお金が大事だと言ってるわけでもないと思うのです。
http://tu-ta.at.webry.info/200910/article_7.html 参照