2008年12月26日金曜日

「正しい味、伝統の味と言われても……」(佐光紀子)

今日の日経夕刊「温故知新のエコライフ」で思わず笑ってしまった。ナチュラルライフ研究家の佐光紀子氏は、おいらと同様、昨今の「正しい、伝統の味」とやらをみんなに強要する風潮に辟易されているらしい。

抜粋(意訳):
  1. 料理教室では「みなさんに正しい味を教える」と言っているらしい。「おいしい」とか「好み」ではなく、「正しい味」というものがあるらしい。
  2. でもこの時期になると、よくわかります。そう、おせちです。
  3. よく「わが家伝統の味」など言いますが、大学入学と同時に家を出てしまったので、そんなの知らない。後悔しきり。そこを「敵」は突いてくる。
  4. アホらしい。
いやはや、全く同感です。

おいらはもとよりおせちなどは作れないので、おせち料理はセットになった重箱を毎年外部から仕入れてきた。なんか仰々しいもので三段になっている。例年元旦の朝には、決まりだから箸を付けるが、二日目(いや2回目)にはもう結構となる。でも捨てるのはモッタイナイので無理やり食うのだが、正直しんどかった。「正しいニッポン人は正しいおせちを食わねばいけない」という義務感から毎年これを繰り返してきたがもう止める。新年からはごまめと数の子ぐらいを単品でごく少量だけ買うだけとする。

それと鶏の唐揚げ。おいらにとってはこれこそが正月のお袋の味。小さいとき「暮らしの手帖」の花森安治が、正月ぐらいまずい「日本伝統のおせち料理」ではなく旨くて栄養のあるものを食べましょうとする「暮らしの手帖」特集を組んで以来、わが家ではこれが正月の「おせち料理」となっていたのだ。正月にお客が多かった家だったが、お客にも「鶏の唐揚げ」が一番人気であった。これぞおいらの「正しい伝統のお袋の味」なのだ。コンビニでいくらでも買える。

農水省は、彼らが食わせている利権集団の利益を守るがために、国民の巨額の税金を使って「伝統食を食べましょう」とFOOD ACTION NIPPON(フードアクションニッポン)なる国民愚民化洗脳運動を展開中だが、あんなものに洗脳されるのは、まっぴらごめんだ。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

おせちってのは、「正月、ぐだぐだと家族みんなで過ごした日の思い出」料理だと思うので家族の数ぐらい「伝統」がありますよねぇ。
うちのおせちは黒豆がキモかな?料理指導者さんが指導してくれるのは甘すぎて不味いです。

ちなみに、家が木工職人の棟梁の家で弟子食客を含めた大家族だったというわが師の「正しい味噌汁」は、ねえやがつくってくれた「煮詰まりすぎてわかめがドロドロになった味噌汁」です。未だにそれが一番おいしいと言い張ります。笑)

Unknown さんのコメント...

黒豆で思い出しましたが、「正しい」黒豆は「しわしわ」なのか「つるつる」なのかというのが、当時わが家で紛糾していたイッシュー。うちのお袋は「しわしわ」が正しいと言ってたのですが、こどもたちが余所では「つるつる」だと異議を唱えて、いつの間にか「つるつる」の黒豆を食べるようになりました。