2008年8月2日土曜日

「ばらまきするから、選挙よろしくね」内閣 - どう見る 福田改造内閣 - ニュース交差点 - 日経ネットPLUS

Letter from Yochomachi (Blogger) の方で引用したけれど、日経ネットPlus に登録しないと読めない記事だった:
「ばらまきするから、選挙よろしくね」内閣 - どう見る 福田改造内閣 - ニュース交差点 - 日経ネットPLUS
いい内容なので「さわり」だけご紹介。

「さわり」部分:
◇冨山和彦(経営共創基盤最高経営責任者、元産業再生機構専務)

 新内閣は郵政造反組を閣僚や党四役に登用して反市場主義的な色彩を強め、経済閣僚は財政規律重視派(≒早期増税派)で固めた。一方で明確な構造改革派、経済成長重視の上げ潮派は閣内、党役員からはほとんど姿を消した。

■捨てられた経済成長
 私はかつて「財政再建」「所得再分配による格差是正」「経済成長」の3つは、絶対に同時共存できないと述べた。今回ははっきりと経済成長を捨て、所得再分配(ばらまき)をしつつ増税によって財政均衡を目指すという意思表示を明確にした改造となった。すでに始まった郵政民営化などの分野以外は「これ以上、構造改革・市場化はせず、規制強化やばらまきを通じて既得権益者の最低限の利益は守るから、今度の選挙はしっかり応援してね」というメッセージがわかりやすく打ち出されている。

 グローバル化、フラット化によってエネルギー価格や食料価格が高騰している。日本経済は交易条件の悪化によって、物価高と景気悪化が同時に進むスタグフレーションに陥るリスクのど真ん中にある。しかも大借金を抱えながら、少子高齢化による生産者(≒納税者)の減少と、給付を受ける側の高齢者の激増に直面している。

 その中で政府部門による再分配重視、需要刺激重視の政策が機能するとは思えない。おそらくはツケを将来の世代に押し付けながら、若者はますます萎縮して元気を失い、経済力は加速度的に低下していく。将来の日本は私の祖父母が北米に移民せざるを得なかった80年前のように、貧しい国、食えない国になっていくであろう。

そういうことなんだと思う。「愛国者」散人は、きょうは朝からユウツだ。

7 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

「みんなに優しい政治」をとか「貧しくてもみんな平等ならかまわない」とする今の日本国民は、経済が停滞して「おしなべて貧困」というものが実際どんなものか想像できないでいるようだ。自分で経験したことがないから。

この本はおすすめ。薩長イナカモン政権(明治政府)の財政拡大路線のもとで当時の東京市民がいかに悲惨な生活を強いられたかがよくわかる:

『明治東京下層生活誌』(中川清編)
岩波文庫、青195−1

Unknown さんのコメント...

要は、首都鎮圧のために巨大な兵舎がたくさん東京に作られ、そこに全国から兵隊が集められ、彼らには腹一杯食わせ、東京下層市民はその兵舎から出る残飯をドブから掬って食っていたということ。

明治時代の新聞記者(失業幕臣だね)の文章だから、文語だけれどとても格調が高い。

当時の農村の食糧事情は東京よりはるかによかったとも書いてある。いつの時代でもイナカモン政府の圧政に苦しむのは都市住民である。

匿名 さんのコメント...

『明治東京下層生活誌』(中川清編)
岩波文庫、青195−1
面白そうな本ですね。
新聞記者の書かれた物なので私にとっては読みやすそうです。
ついでに警察から帰ってきた死体の指まで折られていた小林多喜二さんの「蟹工船」も。
遅いのですが・・・。

Unknown さんのコメント...

>指まで折られて

あいつら野蛮だからな〜。でも頭はよくって、対外戦争でうまいこと国民のナショナリズムを高揚させ、地域間対立という問題を対外問題に逸らせてしまった。今のウヨはその名残。

匿名 さんのコメント...

いや、散人さん仰るとおりです。憂鬱。株も下げます。少しショートしておいて良かった。"皆に優しい”"貧しくても平等”=ああ、ポルポトのことですか。
PS-Google様に個人情報を献上せんといかんのかな、と思ってましたが、ちゃんと投稿できてますか?

Unknown さんのコメント...

黒須さん、こんにちは。コメントは匿名でもなんでも投稿できますからご安心を。ただモデレーションをオンにしているので表示されるのにちょっと時間がかかります。

株は最悪。でも内需株(電力会社とかNTTデータ)は比較的いいですね。今後業績がよくなるはずがないから消去法で買われているのでしょう。電力株より安くなったトヨタの方が配当利回りが高い。国債を買うやつの気が知れない。これはもう、やること決まってますよ。

Unknown さんのコメント...

本題に戻して「ばらまきするから選挙よろしくね」というテーマですが、誰でもお金を貰うのは歓迎。でもそのお金がどこから出てくるのかというのがポイント。これがあまりに無視されているのが現代ニッポンの状況。ロハスという連中が「趣味の園芸」をして「自給自足生活」を趣味的に楽しんでも、必ず誰かがその生活費を負担している。電力とか自動車とか電気製品は誰が作っているのか知っているの? 実際は都市勤労者に寄生しているくせに自給自足をしているなぞアホなことを言う輩は自分で先ず江戸時代の生活をしてから言えというの。バラマキを続けると日本経済は悲惨な状態にまで衰退必至。そうなればバラマキをしたくても原資がなくなる。そうなってはじめてあいつらは自分が間違っていたと気がつくんだろうけど、遅いの。まあ、あいつらは自分が生きている間は、まだまだ日本経済には自分にお金をくれる余裕があると踏んでいるんだろうけど、だったらエゴイストだね。