BS朝日 - BBC地球伝説: "東南アジアに浮かぶ巨大な島、ボルネオ島。切り立った山々と、うっそうと茂る熱帯雨林に覆われ、珍しい生き物がたくさん住むこの島を、個性派ぞろいの研究者チームが探検する3回シリーズ。 人間が未だ足を踏み入れたことのない場所も多く残るこの神秘の島で、メンバーは持ち前の専門知識とハイテク機器、そしてガッツと体力でそれぞれの挑戦に挑んでいく。"エコロ科学者たちは頑張っていたけれど、とてもあんなところは人が住める環境ではない。虫だらけ。文明がジャングルには生まれなかったのには、理由があるのである。
虫だらけの環境はまさにおぞましい。おいらは、現役時代、真面目に仕事をしていたから、アフリカのサハラ砂漠やボルネオのジャングル(バリクパパン)にも行ったことがある(そんなところが仕事場だったのだね)。自分の経験から断言できる。砂漠の方が、ジャングルよりよほど健康的である。
その証拠に、世界の文明は例外なしに砂漠などの乾燥地帯で生まれた(ユカタン半島のマヤ文明はジャングル文明みたいだが、あそこの地質は水を溜めないのでいわゆる湿地帯ジャングルではない)。ヨーロッパの文明も、ローマ時代以来、延々と森林を伐採して、土地を乾燥化させたことから始まった。現存する森林は太古からの森林とはほど遠いものなのである。
ニッポンの森林を理想化するエコロ都市住民が多いが、ヤマヒルやブヨなどのことを知った上でのことだろうか。「風の谷のナウシカ」の老婆が言ったように「人とムシとは共に住めない定め」なのである。それを忘れて、ジャングルとか森林などの「昔からの暮らし」を理想化する政治的エコロにミスリードされないよう、注意しなければならない。
5 件のコメント:
好奇心から無人島にテント1つでキャンプに行った村上春樹も、夜にテントが虫の大群に囲まれたことにチビり一晩で無人島から逃げ出したそうです。
話がそれて恐縮ですが、昔買った本を読み直していたら、散人先生が書いたのかなと思うような本があったのでご紹介を。
石毛直道先生の『食事の文明論』という25年前の本で内容は文明論が中心なのですが、「食料自給を目指すのは賢明ではない」「戦争になり石油の輸入が止まって農業が出来るだろうか」「国内の農業を切り捨てることで日本は豊かになった」「日本が食料輸入をやめれば、他国で逆に飢える人々があらわれる」「札束を握っている日本は途上国で飢えている人を食えるようにするべきで、それがいずれ日本の食料事情を助けるだろう」「国内農業は工業化すべきだろう」などなど日本で無視されがちな現実がカチっと書いてあります。
現代の(25年前の)日本の家庭食事をママゴト遊びと断じるなどなかなか辛辣で、このブログを読んでいるようでした。
ムシはキモチワルイという以上にとても危険ですよね。一晩で逃げ出す気持ちは分かります。メキシコのアカプルコなんかの高級ホテル(ピエールマルケスなど)では「この世の楽園」がうたい文句で蚊がいませんが、毎日夕方大量のDDTを庭中に散布しているのです。それをやらねば「楽園」とはほど遠い実態となる。ムシにも役割があることは認めますが、虫と共生するエコロな生活なんか、やっぱりまっぴらです。
『食事の文明論』というのは読んでませんが面白そうですね。中公新書は期待はずれが少ないので買ってみよう。
散人さん、お久しぶりです。
ゴールドコーストからウルルまで車で行って帰ってきたのですが、仰る通り、アウトバックの乾燥地帯や岩石砂漠は事前の予想よりはるかに過ごしやすかったです。野宿もしましたが悩まされたのはせいぜいbush fly くらいで、大きな虫が少ないためそれを食べる(であろう)トカゲやネズミやヘビも公道付近には見当たらず、雨水をためるタンクさえあれば十分生きて行けると思いました。
来年の今頃はたぶんBroomに行きますが、今から怖いです・・・
ひまわりさんは元気でうらやましいです。オーストラリアはとにかく元気がいい。オーストラリアのお百姓さんはわずか数万人なのに世界中の人を食べさせてくれる。ニッポンのお百姓さんは340万人もいるのに、自分たちが使う石油の輸入代金すら稼いでくれない。南の方に足を向けては寝られません。
苗場の富士ロックに行っていた息子が虫に刺されて帰還。足首が丸太のように膨れ上がっている。
「地方起こし」とやらで地方に都会の若者を呼び込む企画がにぎやかだが、それにはまずムシを撲滅しないと都会の軟弱なこどもたちはイナカに近寄れませんよ。環境原理主義者は「これこそ自然だ!」と言って反対するんだろうけど。
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