2008年11月30日日曜日

NHK:戦争証言プロジェクト「中国での日本人戦犯」

この番組はいい内容だった:
NHK BSオンライン: "ハイビジョン特集  “認罪” ~中国 撫順戦犯管理所の6年~ハイビジョン特集 BShi 11月30日(日) 午後7:00~8:50
1950年7月、ソ連から中国に‘日本人BC級戦犯’969名が移管された。帰国を夢見ていた元日本兵たちにとって、新たな苦難の始まりだった。6年後、彼らは自らを戦犯と認め、裁判にのぞむ。しかし起訴は36名のみ。死刑は一人もいなかった。有罪とされた者も、その後全員釈放。BC級裁判の中で死刑を出さなかったのは中華人民共和国だけだった。
しかしそこに至るまで、元日本兵たちは、真綿で首を絞められるような扱いを受けた。シベリアとは比べものにならないほど待遇は良く、拷問は無かったが、罪状を自ら書かされ(認罪)、何度も書き直しを求められた。死刑の恐怖の中で、戦争中の自分の行為を見つめ直す。
一方、撫順戦犯管理所の中国人職員は、日本人の人格を尊重し暴力を禁止するよう命令されていた。肉親を殺された恨みを押し殺しながら、職員たちは日本人の思想改造につとめた。罪を犯した者、被害を受けた者が、戦犯管理所の「認罪」という極限状態の中で向き合う。精神に異常をきたす者も出る一方、自らの罪を認め、敵味方を越えた関係を築く者も現れた。
元戦犯たちと管理所職員の証言などによって、管理所の中で何が起き、なぜ中国側が死刑判決を回避したのかを明らかにしていく。"
ところが上記の番組紹介コピーの内容にとても違和感がある。まるで彼ら戦犯は中国側の被害者であるような書き方。これは番組制作者の意図するところではなかっただろう。彼ら戦犯が苦しんだのは、むしろ日本に帰ってきてからではなかったのか。ニッポンのウヨ大衆や櫻井よし子のようなウヨ扇動家にとてもいじめられたのである。

感心したのは、中国共産党(周恩来)の長期的な戦略思考だ。20年〜50年先を見越した国益を考え、中国大衆のポピュリズムを見事に抑えつけ、中国民間人を多数殺戮した戦犯にも死刑を与えなかった。これはノーソン・ウヨ大衆を支持基盤とする自民党政権にはとても真似の出来ないことだ。

中国は頭がいい共産党が実権を握っている限り(あいつら悪辣だがアホではないので)世界恐慌が起きても大丈夫かも知れない。やはり安心して投資できるのは中国だけか。

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