2008年7月13日日曜日

映画「地下水道」の最終場面は私の社会主義体制への抗議だった……ワイダ監督

とてもびっくりした。映画「地下水道」は50年前に見た映画だが、いまでも多くの画面を鮮明に記憶している。ウンコだらけの下水道を美しい女性と泳ぐシーンとか、不安定な足場の上に立って爆薬の信管を食い切るシーンとか。最終場面は、もちろん、下水道から脱出したと思ったらそこに鉄格子があったという悲劇的な映像。いままでこのシーンの本当の意味を理解できないで生きてきた。
番組: ハイビジョン特集 (NHKデジタル衛星ハイビジョン 2008-07-13 19:00): "S]ハイビジョン特集「映画監督アンジェイ・ワイダ・祖国ポーランドを撮り続けた男」最新作“カティン”への道のり▽祖国ポーランドの現代史を描く苦闘"
ナチスから解放されたと思ったら、ソヴィエットの圧政が待っていたという意味だという。監督自身が語ったのだからホントだろう。そんなこと「習わなかった」な〜。

おいらが小さかった頃のニッポンは、サヨ・インテリの支配下にあった。社会主義の悪口なんかは、もってのほかだったのであろう。誰もこのシーンのホントの意味を教えてくれなかったのである。

時代は変わって、いまや日本にはウヨ「ニッポンイズム」が支配的思想。だれも「ニッポン」の悪口なんかは口にしない。それがポリティカリー・コレクト。おかげでみんなが「ニッポンイズム」の自己満足的な盆踊りを踊り狂っているように見える。

そのおかげで、散人が小さかったときのように、いまのニッポンの若者は多くの「真実」を見落としているのではないか。何十年も経ってからはじめて気がついても、遅いのである。年寄りの忠告は、聞いておいて損はない。

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